クラウド導入における課題の実態とは?
クラウド導入の注意点とは?
自社に合わせて一部カスタマイズが危険ってなぜ?
クラウドサービスを使うと「安くて、簡単にシステム導入ができる」らしいな!早速、うちの若い社員にやってもらうとするか。
クラウドサービスは確かに簡単に導入できるが、実は導入に失敗することも多いんじゃぞ?
えっ、失敗することがあるの?クラウドを契約して、使うだけだけじゃないのか?
実はクラウドは導入前が重要なのじゃ!使い始めこそ順調なものの、後から「失敗した!」と後悔することもあるんじゃぞ!
「失敗」というのは色んな意味がありますが、今回はクラウド導入後に後悔しないために知っておきたい考え方を記事にしました。
クラウドは安くて簡単に導入できるとはいいますが、片手間でやろうとすると中々上手くいかないのが実態です。
なぜクラウド導入が上手くいかないのか、またどんな課題があるのかを見ることで、やってはいけないクラウド導入の実態を見ていきましょう。
システム導入の半分は失敗する!?
日経ビジネスによると、情報システム導入プロジェクトの成功割合は52.8%と言われています。
下の図は、情報システム導入プロジェクトの成功率を調査年ごとに示した図になります。
引用:日経ビジネス「プロジェクト失敗の理由、15年前から変わらず」のデータを元に作成
図を見ると成功率は上がっていますが、それでも約半数のシステム導入が失敗に終わっていることがわかります。
みんなが抱える「クラウド導入における課題」とは?
クラウドサービスの導入において1番の課題は、
という点です。
というのも、クラウドサービスは基本的にカスタマイズができません。
そのため、自社でやりたいことが実現できる機能を持っているクラウドサービスを探し、似たようなクラウドサービスの機能を比較する必要があります。
なお、クラウドサービスのメリットとデメリットは↓こちらにも詳しく書いています。
世の中には様々なクラウドサービスがあるため、比較するにも一苦労です。
また、システム事業者によっては
といった提案をしてくることがありますが、安易にOKしてしまうと危険なこともあるので注意が必要です。
「一部カスタマイズ」はなぜ危険なのか?
なぜ一部カスタマイズが危険かというと、クラウドサービスのメリットを消すことになってしまう可能性があるからです。
「一部カスタマイズ」をするとどうなるか?
例えば、クラウドサービスで不足している機能があり、不足している機能を補うために自社サーバーにてシステム作るとします。
すると当然、作ったシステムはオーダーメイドで作ることになりますので、クラウドサービスでシステムの変更が合った場合、その都度自社サーバーのシステムにメンテナンスをする必要になります。
クラウドサービスは自動でアップデートがかかることで、常に最新の機能を使うことができることがメリットになります。そのため、システムのアップデート頻度は多くなります。
そうなると、せっかく開発コストをかけずに新しい機能を使うことができるクラウドサービスを利用しているにもかかわらず、自社サーバーにて作ったシステムのメンテナンスに時間とお金がかかるため、最新の機能をリアルタイムで使うことができません。
また、都度システム改修をするにはお金もかかるため、「今回の新機能は諦めよう」という判断をしなければならないこともあります。
システムの発注先に高額の見積を提示されても、文句が言えない
自社システムの開発・メンテナンスを外注している場合、さらに注意が必要です。
クラウドサービスのアップデートに合わせて自社システムを修正をする場合に、高額な見積もりを提示されても、その外注先を切ることができません。
それもそのはず、外注先がオーダーメイドで作ったシステムなので、その外注先でないとメンテナンスができないからです。
クラウド導入時に何をしておく必要があるのか
クラウド導入時に重要なことは、
です。
社内でシステム化の検討を進めていると「こんな機能が欲しい」「せっかくお金をかけるんだから、これもできるようにしたい」と議論が発散することもよくあります。
そんなときでも「今回は業務のこの部分をシステム化するんだ」という共通認識を社内で持つことができれば議論が発散しにくくなります。
また、システムを導入した後に「この機能もないの?」という不満の声が上がることも無くなります。
社内で共通認識を作るために、業務フローを図にして社内で共有することも効果的です。
図にすることで意外と知られていない作業が見えたり、社内の他の人の業務が見えたりするので、新しい発見があることも。
クラウドの契約自体はネットですぐできるけど、その前にどの部分をシステム化するか社内で協議することが必要なんだな。
そもそも「失敗した」と思うのは社内の人間じゃからの。業務を見直し、ときにはクラウドでできない部分はシステムを使わないという選択をすることも大事じゃ。