同じシステムをオンプレミスとクラウドで導入すると、どう違う?

クラウド導入の基礎
この記事でわかること

 オンプレミスとクラウドの違いって?

 オンプレミスとクラウドは、どう使い分ければいいの?

 クラウド導入のときに検討するべきことって?

もやもや社長
もやもや社長

クラウド、クラウドってみんな言うけど、結局のところ何がいいんだろう?

よくわかんないものに手を出すと、後から面倒なことになりそうだしなぁ、、、

クラウド仙人
クラウド仙人

クラウドを知りたいのであれば、「オンプレミス」と「クラウド」を比較するとわかりやすいぞぃ

もやもや社長
もやもや社長

オンプレミス??新しいカタカナ語を言われると、ますますわからん!!

クラウド仙人
クラウド仙人

簡単に言うと、オーダーメイドでシステムを作ることを「オンプレミス」と言い、みんなで共有のシステムを使うことを「クラウド」と呼んでいるのじゃ!

 

クラウドの話になると、しばしば出てくる言葉「オンプレミス」。聞いたことはあるけど、正直よくわかっていないという人も多いのではないでしょうか。

 

今回はオンプレミスによるシステム導入と、クラウドによるシステム導入を比較しながら、両者の違いをまとめていきます。

よくわからずにシステム事業者と契約して後悔、、、なんてことにならないようにしましょう。

オンプレミスでシステム導入すると、どうなる?

クラウドが登場する以前は、オンプレミスでのシステム導入が当たり前でした。

 

オンプレミスでのシステム導入とは、簡単に言うと、

自社専用のシステムをオーダーメイドで作り、そのシステムを運用する

という形のことです。

 

しかし、システムを1から作るとなると、とても大変な作業が必要です。

例えば「WEBページでアンケートを取る」というシステムをオンプレミスで作ると、以下の工程が必要です。

ステップ1  どんな機能が欲しいかを明確にする(要件定義)

ステップ2  機能を実現するために、どんな開発をするか決める(設計)

ステップ3  サーバーを購入 or 借りる

ステップ4  サーバーにミドルウェア(※1)を入れるなど、初期設定の作業をする

ステップ5  アンケートを取得するプログラムを作成し、質問を設定する(開発)

ステップ6  プログラムが正しく動作するかテストをする(テスト)

(※1)ミドルウェア・・・WEBサーバーやデータベースサーバーなど、汎用的な処理を行うプログラムのこと

 

ステップ1,2も時間がかかりますが、意外とステップ4のテストがとても時間がかかります

アンケート結果が正しくデータとして蓄積されているかをテストすることはもちろんですが、特に最近はセキュリティ的に問題がないかを確認することが必須になるために、テストに膨大な時間がかかってしまうのです。

 

他にも、アンケート画面のデザイン、アンケート結果の閲覧画面、システムがエラーになったときに通知する仕組み、など色々な作業が必要になってきます。

そのため、アンケートを取るだけの簡単なシステムだとしても、オンプレミスだと数十万円~数百万円かかるのです。

 

もやもや社長
もやもや社長

ええぇ~!!そんなお金かかるんじゃ、うちでシステム導入なんて無理だなぁ

クラウド仙人
クラウド仙人

だからこそクラウドが注目されているんじゃ!!

クラウドを活用してシステム導入すると、どうなる?

近年はクラウドサービスが増えて、様々なシステムをクラウドで導入することができるようになりました。

 

クラウドを活用したシステム導入とは、簡単に言うと、

システム制作会社が作ったシステムの一部を借りて、そのシステムを運用する

という形のことです。

 

自社でシステムを作らないので、オンプレミスと比べてコストが安く、短期間で導入が可能です。

例えば「WEBページでアンケートを取る」というシステムをクラウドを活用して導入すると、以下の工程となります。

ステップ1  どんな機能が欲しいかを明確にする(要件定義)

ステップ2  必要な機能を持っているクラウドサービス探して、比較検討する

ステップ3  クラウドサービスを契約する

ステップ4  クラウドサービス上でアンケートの質問を登録する

オンプレミスと比べて、システムを作る際に必要な「設計」「開発」「テスト」がないため、時間がかからずに導入することができます。

そのため、アンケートを取るだけの簡単なシステムであれば、クラウドだと0円~数千円で使えるのです。

 

もやもや社長
もやもや社長

この金額なら、うちの会社でも大丈夫だな

クラウド仙人
クラウド仙人

ちなみにGoogleのアンケートフォーム機能を使えば、タダでアンケートが作れるぞぃ

もやもや社長
もやもや社長

でも、こんなに金額が違うんじゃ、どうして全ての会社がクラウドにしないんだろう?

クラウド仙人
クラウド仙人

残念ながら、クラウドにもデメリットはあるのじゃ。

 

オンプレミスと比べたときの、クラウドのメリット、デメリット

全てのシステムをクラウドにすればいいかというと、そうではありません。クラウドのメリット、デメリットをオンプレミスと比較しながら、紹介していきます。

 

以下は、クラウドとオンプレミスのメリットとデメリットを比較した表になります。

オンプレミス クラウド
初期費用 高い(設計、開発、テストに人件費が必要) 安い(契約自体に費用はかからないことが多い)
運用費用(※2) 高い(システム費用はかからないが、サーバー、メンテナンスの費用がかかる) 安い(月額料金のみ)
導入までの期間 長い 短い
カスタマイズ性 高い(自由にカスタマイズ可能) 低い(基本カスタマイズできない)
セキュリティ 社内でネットワークスを閉鎖することができるので、強化することが可能 クラウドサービス事業者による
障害リスク 自社で障害復旧を行うため、人手が必要。また、復旧作業ができる従業員の確保およびアラート検知の体制が必要。 クラウドサービス事業者が行うため、復旧までの時間は事業者任せになる。
(※2)・・・費用は従業員数が少ない場合。大企業の場合はオンプレミスの方が安い場合も。

 

クラウドの最大のデメリットは、カスタマイズができないという点です。

そのため、クラウド導入を検討するときは、そのクラウドが要件にあった機能を持っているかをよく検討することが重要です。

 

また、システム事業者の中にはクラウドを活用して、一部カスタマイズを提案してくる事業者もいますが、安易なカスタマイズは危険なため、注意が必要です。

 

もやもや社長
もやもや社長

カスタマイズが必要になる特別な業務を行っている場合は、オンプレミスで作ることが必要になるのか。でも、オンプレミスは高いからなぁ、、、

クラウド仙人
クラウド仙人

特別な業務はシステム化せずに、システム化できる部分だけクラウドを活用することも重要じゃ。場合によっては「今までの業務は本当に必要か?」と、自社の業務を見直すことも大切じゃ!

まとめ

オンプレミスとクラウドの違いは

オンプレミス・・・自社用のシステムを作る
クラウド・・・システム事業者が作ったサービスを借りる

となります。

 

クラウドサービスはオンプレミスと比べてたメリット、デメリットは

メリット:費用が安く、また導入までの期間が短い
デメリット:カスタマイズは基本できない

となります。

 

そのため、クラウドサービス導入の際は、自社の業務を見直して、どの部分をシステム化できるかを検討することが大切です。

 

クラウド仙人
クラウド仙人

クラウドに限らずシステム導入の際は「目的を達成する手段の一つがシステム」であることを忘れてはいけないぞ!システムを入れることが目的になってしまうと、本末転倒じゃ!